寒天コラム
美容と健康

どうして寒天は
美容や健康にいい?
アガロース・アガロペクチンの驚くべき力

寒天の主成分、植物繊維が持つ特徴と効果

寒天は「アガロース」や「アガロペクチン」という多糖類からなります。高分子炭水化物のことですが、糖類はほとんど含まず、その多くが食物繊維、とりわけ水溶性食物繊維で構成されています。寒天が含む食物繊維量はすべての食品のなかでも非常に多いことが知られていて、その量はトップ3に入るほど。寒天の健康や美容についての機能性が高く評価されていますが、その要因はこの食物繊維にあるのです。

食物繊維総量:含有量Top10

順位 食品名 成分量
100gあたりg
1 いも及びでん粉類/こんにゃく/精粉 79.9
2 きのこ類/(きくらげ類)/あらげきくらげ/乾 79.5
3 藻類/てんぐさ/粉寒天 79.0
4 藻類/てんぐさ/角寒天 74.0
5 いも及びでん粉類/こんにゃく/凍みこんにゃく、乾 71.3
6 きのこ類/(きくらげ類)/しろきくらげ/乾 68.7
7 野菜類/わらび/干しわらび、乾 58.0
8 きのこ類/(きくらげ類)/きくらげ/乾 57.4
9 藻類/えごのり/素干し 53.3
10 藻類/ひじき/ほしひじき/ステンレス/釜、乾 51.8
10 藻類/ひじき/ほしひじき/鉄釜、乾燥 51.8

(注意)指定した成分量の同値があるため、指定した数より多くの食品を表示しています

文部科学省「食品成分データベース」より
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

 

食物繊維の摂取量は、生活習慣病の発症率や死亡率と大きく関連しています。たとえば、ほとんど食物繊維を摂取しない場合に比べて1日約20gを摂取した場合、心筋梗塞の発症率が15%ほど低くなったことも報告されています。五大栄養素といわれる「炭水化物」「タンパク質」「ミネラル」「ビタミン」「脂質」に次いで、第6の栄養素といわれるほど、人の身体のなかで有用な働きをしてくれるのが食物繊維なのです。その特徴と効果は次の通りです。現代人の多くが抱える悩みを解決してくれる栄養素だということが一目瞭然です。

  • 人の消化酵素で消化・吸収されずに小腸から大腸まで届く
    →便量が多くなり便通が良くなる
  • 大腸で発酵・分解されて腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす
    →便量が多くなり便通が良くなる
  • 大腸で発酵・分解されて腸内のビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす
    →腸の運動を活発にする
    →発がん性を持つ腐敗産物の産出を抑制する腸内環境をつくる
    →身体の免疫力を高め、コレステロール値を低下させる
  • 粘性が高く胃腸内をゆっくりと移動する
    →お腹が空きづらく、食べ過ぎを抑制
    →糖質の吸収を緩やかにして食後の血糖値の急激な上昇を抑制
  • 脂質・糖・ナトリウムなどを吸着して排出する
    →これらが原因となる肥満脂質異常症糖尿病高血圧などの生活習慣病を予防・改善
  • コレステロールからつくられる胆汁酸の排泄(便中)の促進
    コレステロール値を低下させる

みんなが足りない食物繊維

これほど有用な食物繊維ですが、日本人の平均食物繊維摂取量は減っているのが現状です。厚生労働省が策定する「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの摂取目標量が18〜64歳の男性で21g以上、女性で18g以上とされますが、現在の平均摂取量は13.9g(「平成28年国民健康・栄養調査報告」より)と目標量に達していないのが実情。食物繊維を多く含む、穀類・いも類・豆類などの摂取量が減ったことが大きな要因といわれています。女性に足りないあと約4g~5gの食物繊維を摂取するのに必要な寒天の量は、約5.4g~6.8g。角寒天なら3/4本程度です。寒天を食して効率的、効果的に食物繊維を摂りましょう。

おすすめは天然寒天!
美容やコレステロールには
天然寒天に多く含まれるアガロペクチンが有用

寒天の健康と美容を語るうえで、アガロペクチンについてはもっと言及する必要があります。寒天の主成分である「アガロース」「アガロペクチン」のうち、アガロペクチンは実は角寒天や糸寒天といった天然寒天に多く含まれる成分です。ご紹介した食物繊維が持つ機能のうちコレステロール値の改善や、抗がん化作用に働くのはこのアガロペクチンであることが明らかになっています。さらに注目したいのは、紫外線によるコラーゲンの破壊を抑え、シワやしみ、たるみを軽減するという実験結果が得られたことです。先に書いた通り、整腸作用も高いことも、美肌には重要なこと。寒天で健康できれいに。その理由は、天然寒天が含む稀有な成分・アガロペクチンにあったのです。

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